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フロイトは、人の心を「意識」「前意識」「無意識」の三つの領域に分けたが、「無意識」だけでは説明できないエネルギーのようなものがあると考え、改めて「エス」「自我」「超自我」の三つに区分した。
「エス」とは、無意識の中にあって、本能のまま、欲望のままに生きようとするエネルギーで、「リビドー」は「エス」の一部である。
「エス」は、英語の「it」にあたるドイツ語で、超自然的なもの、人間以外の世界を動かす存在、自分の中に存在しながら、その存在が自覚できないものという意味で使われる。
規律も秩序も合理性もなく、爆発的で情熱的な力とされ、例えるなら赤ちゃんの心だと言われ、最近よく使われる「ドS」という表現は、サディズムのSではなく、こちらの「エス」だと考えた方が適当とする意見も多い。
「超自我」は、その人の心の掟であり理想であり、良心ともいわれる。
その人が育っていく社会や宗教、道徳や倫理などを取り入れ、さらにしつけや学校教育によって強化される。
ただし、「超自我」は3、4歳頃にはできあがっており、それは、親自身の「超自我」を手本として形成される。
しつけは、子ども自身が愛情と認識したものしか受け入れず、虐待やいわれない体罰は、敵意として排除されて「超自我」にはならない。
「自我」は、理性や思慮分別のことである。
「自我」と「エス」の関係は、暴れ馬と騎手の関係に例えられる。
騎手である「自我」は、暴れ馬である「エス」をコントロールしようとするが、爆発的な力をもつ「エス」を完全にはコントロールできず、人は常に「エス」に振り回される。
一方で、「自我」は「超自我」からの命令も聞かなければならず、つまり現実の生活へも対応しなければならない。
故に、「自我」は、自分自身をコントロールするための機能を持つ。
現実機能・・・現実の自分の能力や人となりを把握する機能
防衛機能・・・「エス」と「超自我」のバランスを保つ機能
適応機能・・・周囲の状況と、自分の能力や目標をうまく適応させようとする機能
統合機能・・・日常生活や社会生活に適応できる人格を形づくろうとする機能
「自我」は、これら機能によって、現実とエスと超自我を調整するもので、そこに形成されるのが「人格」である。